fc2ブログ

国内と海外の旧式商用車を紹介

プロフィール

Route★ZERO

Author:Route★ZERO
【海外在住】
海外の味のある乗り物を中心に
写真を撮影しています。

【ご注意】
・写真の無断転載禁止
・撮影場所は答えられません
・問題のある画像があれば
 お知らせください

6 コメント

【スペースドリーム】 国産初の2階建てバスだが・・・

1980年代は高速道路網の発達と、折からの観光ブームによってバス旅行がますます盛んになった記憶があります。当時、私が小学生の頃には夏のイベントの一つとして”親子旅行”と呼ばれていたバス旅行がありました。

この親子旅行というのは、地域ごとに区切って行っていたわけですが、中型バス1台を貸切って各地の観光地まで日帰り旅行をしたもので、今は亡き熊本の”火の国ランド”、長崎の”オランダ村”、大分の”マリンパレス”など行った記憶があります。

バス車内ではバスガイドの話を聞いたり、みんなでゲームをしたり楽しんでいんたのですが、観光バスのデラックス化により、大人は「カラオケ」や「映画」を楽しみ、子供はゲームウォッチなどをやるように変化したように思います。

観光バスに対する事業者の要求はよりデラックス化を望み、次第に欧州バス的なスタイルや快適性を求め、昭和55年(1980)頃からは、ネオプラン、バンホール、MAN等の輸入車を観光バスに利用する動きも出てきており、競争がますます激しくなってきた頃に外国製の2階建てバスが出現したのです。

しかし、外国製バスは部品供給・サービスの対応等の面で不安があり、昭和58年(1983)のモーターショーには睦三菱ふそうエアロキング(1985年1月発表)、日野グランビュー(1985年1月発表)、日産ディーゼル・スペースドリーム(1984年11月発表)、といった国産2階建てバスが参考出品され、2階建てバスブームが訪れたのです。

しかし、当時の道路事情が大型2階建てバスが安全に運行できるとはいえなかった事と、日本では全高が3.8mに制限されていたので居住性が犠牲になり、観光バスとしては需要が一巡すると販売は伸び悩んだとか。

P_GA66T_1.jpg
画像は熊本県で余生を過ごしている日産ディーゼル・スペースドリーム。
ネット情報によると、1988年までに販売された台数は試作車を含め11台とのこと。

販売台数が少ない貴重な車両なので、出来れば公道復帰を期待したいのですが、いざレストアするにはかなりの労力が必要そうですね。

P_GA66T_1.jpg
国産初の2階建てバスとしてのインパクトもありますが、後軸が2軸化されている点も特別感がありカッコいいです。ネオプラン型のエアベローズに3角リンクを持つ独立懸架のサスペンションを採用し、シンプルな面構成で覆われたボディは富士重工業製のバスボディを架装しています。

【Nissan diesel Space dream (P-GA66T)】
推定製造期間 1984-1988年頃

1983年の東京モータショーでデビュー、1984年11月に発表。
RE10型 V10 370psエンジンを搭載。
全長11.96m 全幅2.49m 全高3.78m
乗車定員74名

絶滅度 ★★★★★
レア度 ★★★★★
満足度 ★★☆☆☆
状態  不動車
撮影地 熊本県
撮影日 2011年12月

スポンサーサイト



コメント

元はとばす 2012/07/26 17:55  編集 URL

遅すぎた登場

これも懐かしいですね。
日野三菱ともに当時の技術の粋を集めて作られましたが、結局輸入車により需要が完全に一巡したあとであったこと、イニシャルコストが輸入車と大差なかったことなどから、各社とも全く売れませんでしたね。
公示された価格は横浜市交通局向けのリクライニングもしないローバックシートが並ぶ超スタンダードな仕様でのもので、実際に使える豪華な仕様にすると輸入車と大差ない価格でした。

スーパーハイデッカにその技術は引き継がれますが、一番引き継がれたのはこのUDでしょう。
翌年このシャシを利用したスーパーハイデッカ、DA67UEが開通したばかりの関越高速バスとして走り始めたのを皮切りに、西武と共同運行の地方バス会社にも展開しました。
当時は高速バス開業ブームで私もよく乗りました。

この車両も車両として起こすのは無理でも他にも残っていますから、くず鉄として輸出などされず、動態保存車のドナーになって生き続けてもらいたいです。
Route★ZERO 2012/07/27 05:44  編集 URL

元はとばす様
約30年前の事なので記憶が曖昧ですが、私が育った九州北部では2階建てバスは珍しく、2階建てバス=外国製という認識を持っていました。

なるほど、装備を充実させると価格的にも海外製並みだったのですか。当時は乗用車でも輸入車は高かったので、2階建てバスを導入するにはハードルが高かったですね。

おっしゃるとおり、この後スーパーハイデッカ系の誕生に影響を与えた点では、国産2階建てバスの役割は大きかったですね。
Cuore 2012/08/09 11:54  編集 URL

はじめまして

こんにちは、初めてコメントさせていただきます。
僕は北海道に住んでいますが、地元の右翼団体がスペースドリームの街宣車を所有しています。
真っ黒で威圧感はありますが、とても綺麗にされています。
Route★ZERO 2012/08/11 12:29  編集 URL

Cuore様 はじめまして。
旧トラック天国の地にお住まいですか、農業用トラクターなど、機械好きには魅力的な場所ですね。

街宣車はレアなバスなどを使っているケースが多いのですが、スペースドリームの街宣車があることを初めて知りました。 

始めまして 

始めまして。

スペースドリームで検索しましたら辿り着きました。

私はこのスペースドリームの試作車として造られた4台のうち残っている最後の1台(GA66T試作)を持っています。

約2年前に手に入れ、現在乗合から構造変更をして事務室車登録(特種8ナンバー)で走らせています。

諸般の事情によりなかなか内装の改装が完成しませんが、一応登録車として時々のっています。

Route★ZERO 2013/01/05 23:08  編集 URL

GA66T試作さま
初めまして。スペースドリームを動態可能な状態で保有されているとは恐れ入ります。
製造された車両自体も少ないので、維持するには苦労が多いと思われますが、はやく内装が完成するといいですね。
非公開コメント