仕事の忙しさとマスコミ報道に関する不満で、ブログ更新を少々サボっていた事に反省。
さて8年程前、古いミニバンを借りて遠出した際に車が故障し、車両運搬車に乗せられた経験があります。
誰でも好き好んでレッカー車にお世話になりたくないと思いますが、このように自分ではどうしようも出来ないトラブルに救助に来てくださる事にとても感謝しています。
(中には足元を見た悪質な業者もいますが・・・)
北海道を回っている途中に発見した、日野の古いボンネットレッカー車。
正確に言えば今回で2度目の訪問になり、ガレージに駐車しているレッカー車を道路から眺めていると、不審者に思ったのか、事務所から社長さんが出てきてくださりました。
「中に入ってきて見てもいいよ!」と
事情の説明をするまでもなく、敷地内での撮影を快くOKしてくださりました。

この車は特殊車両を表す「Z」で始まる形式名を持ち、ZCが6×6全輪駆動車、ZHが4×4全輪駆動車になります。
ZH系は1959年(昭和34年)に発売されたZH10型が最初のモデルで、モデルチェンジを繰り返してZH12型まで発展しています。
推測ですが、60年代後半から70年代前半にかけて製造されたZH12型だと思います。

社長さんの話だと昭和40年代に製造された車両だとのことで、元々は林業で木材運搬に従事していた車両を中古で購入し、レッカー車にボディを載せ替えたそうだ。驚くことにボディは自社で造ったとは思えないくらい丁寧に作り込んであり、鳥居にはキャリアが取り付けられており(キャブ上部)これは木材運搬時代の名残なのでしょうね。
他にもPTO(Power take off )と呼ばれる動力外部取り出し装置を前後に取り付け、ウインチ作業が出来るように改造されています。近くには谷沿いの道路が沢山ある場所なので、谷に落ちた車を引き揚げるのには必需だという。
年10回程の出勤ペースで、普段はのんびりとガレージに入っているそうです。

日野ボンネット型の標準は6トンクラスのTE型と、7.5トン以上のTH型があり、どちらも剣道の面のようなグリル格子を採用しているのに対し、ボディを短尺化してダンプなどの特殊車両用途のボンネット型は画像のような平面の縦格子グリルが取り付いています。前途のPTOを使った機器をレイアウトする上で、平面グリルの方が都合がよかったのかもしれませんね。
補助照明としてのフォグライトも標準装着、グリル上部の日野マークはあまり見かけないタイプを使っており、日野の頭文字HをベースにHinoの文字が入ていますが、経年老化により取り付けビス周辺はヒビ割れしていました。
ルーフには速度表示灯の台座が残っており、以前は速度表示灯が付いていたのかも。

このアングルと光と影のコントラストがお気に入り。
4WD化による嵩上げ分、ステップの下には更にもう一段ステップを追加。
【Hino ZH12 Tow truck】
推定製造期間 1966-1975年頃
昭和25年(1950)6月に勃発した朝鮮戦争によって、国連軍は大量の軍用トラックを日本の自動車会社に発注したことで、戦後の大型全輪駆動トラックの開発が再開された。同時に警察予備隊(現:自衛隊)の発足やダムなどの大型工事が集中したことにより、日野でも大型全輪駆動トラックの開発を急いだ。
昭和27年(1952)、日野初の6輪駆動車ZF型とZC型がデビュー。
昭和34年(1959)9月、4輪駆動車ZH10型がデビュー。
ZH10型は先に発売されたZC型6輪駆動トラックをコンパクト化したもので、泥濘地や、不整地に適したトラックとして利用され、ダンプのほかミキサー車などに架装された。
昭和35年(1960)、マイナーチェンジでZH11型に変更。
法規改正による灯火系の改良型で、腕木式方向指示器が丸型フラッシャー式に変更している。
昭和37年(1962)、マイナーチェンジでZH12型に変更。
エンジンの強化やタイヤサイズの変更が主と思われる。
昭和41年(1966)~翌年にかけてキャビン周辺の改良が行われ、2枚平板フロントウインドは1枚式ラウンド型に変更。それに伴ってワイパーピボットはウインド上部から下部に変更されている。
また2本のワイパー中央にはエアインテークホールが追加され、ドライバーの負担が軽くなるように改善されている。
昭和50年(1975)年頃にZC系を含めたボンネット型の全輪駆動車の生産が終了。
後継機種には大型車HH/HE型のキャブを搭載したキャブオーバー型4輪駆動車に移管された。
絶滅度 ★★★★☆
レア度 ★★★★★
満足度 ★★★★☆
状態 現役車
撮影地 北海道
撮影日 2011年7月

さて、日野ボンネットトラックというと、ボンネットサイドのダクト形状が数種類存在します。
私の知る限りでは3種類あり、どうも搭載するエンジンによって分けられているようです。
【DS50型】 直列6気筒ディーゼル 7.982cc (160ps)
ダクト形状は上下2本のモールの間に細かなダクトが並ぶ。
1950年代から1960年代にかけて採用。
(DS30型、EB300型も含む)
【DS70型】 直列6気筒ディーゼル 7.014cc (140ps)
7.5トン積載クラスのDS50型に対して、6トンクラスのDS70型。
エンジン排気量と最大出力が若干抑え気味にされている。
ダクト形状は3箇所に空いたホールの中央にモールを通したもの。
また、1970年以降は部品統合化の影響か、DS50型もこのタイプを採用。
【EB100型】 直列6気筒ディーゼル 9.036cc (175ps)
【DK10型】 直列6気筒ディーゼル 10.178cc (205ps)
8トンクラスのEB100型、10トンクラスのDK10型は、3箇所に空いたホールの上下にモールを2本付く。
注意)この方式がすべての形式に当てはまる訳ではありません。
さて8年程前、古いミニバンを借りて遠出した際に車が故障し、車両運搬車に乗せられた経験があります。
誰でも好き好んでレッカー車にお世話になりたくないと思いますが、このように自分ではどうしようも出来ないトラブルに救助に来てくださる事にとても感謝しています。
(中には足元を見た悪質な業者もいますが・・・)
北海道を回っている途中に発見した、日野の古いボンネットレッカー車。
正確に言えば今回で2度目の訪問になり、ガレージに駐車しているレッカー車を道路から眺めていると、不審者に思ったのか、事務所から社長さんが出てきてくださりました。
「中に入ってきて見てもいいよ!」と
事情の説明をするまでもなく、敷地内での撮影を快くOKしてくださりました。

この車は特殊車両を表す「Z」で始まる形式名を持ち、ZCが6×6全輪駆動車、ZHが4×4全輪駆動車になります。
ZH系は1959年(昭和34年)に発売されたZH10型が最初のモデルで、モデルチェンジを繰り返してZH12型まで発展しています。
推測ですが、60年代後半から70年代前半にかけて製造されたZH12型だと思います。

社長さんの話だと昭和40年代に製造された車両だとのことで、元々は林業で木材運搬に従事していた車両を中古で購入し、レッカー車にボディを載せ替えたそうだ。驚くことにボディは自社で造ったとは思えないくらい丁寧に作り込んであり、鳥居にはキャリアが取り付けられており(キャブ上部)これは木材運搬時代の名残なのでしょうね。
他にもPTO(Power take off )と呼ばれる動力外部取り出し装置を前後に取り付け、ウインチ作業が出来るように改造されています。近くには谷沿いの道路が沢山ある場所なので、谷に落ちた車を引き揚げるのには必需だという。
年10回程の出勤ペースで、普段はのんびりとガレージに入っているそうです。

日野ボンネット型の標準は6トンクラスのTE型と、7.5トン以上のTH型があり、どちらも剣道の面のようなグリル格子を採用しているのに対し、ボディを短尺化してダンプなどの特殊車両用途のボンネット型は画像のような平面の縦格子グリルが取り付いています。前途のPTOを使った機器をレイアウトする上で、平面グリルの方が都合がよかったのかもしれませんね。
補助照明としてのフォグライトも標準装着、グリル上部の日野マークはあまり見かけないタイプを使っており、日野の頭文字HをベースにHinoの文字が入ていますが、経年老化により取り付けビス周辺はヒビ割れしていました。
ルーフには速度表示灯の台座が残っており、以前は速度表示灯が付いていたのかも。

このアングルと光と影のコントラストがお気に入り。
4WD化による嵩上げ分、ステップの下には更にもう一段ステップを追加。
【Hino ZH12 Tow truck】
推定製造期間 1966-1975年頃
昭和25年(1950)6月に勃発した朝鮮戦争によって、国連軍は大量の軍用トラックを日本の自動車会社に発注したことで、戦後の大型全輪駆動トラックの開発が再開された。同時に警察予備隊(現:自衛隊)の発足やダムなどの大型工事が集中したことにより、日野でも大型全輪駆動トラックの開発を急いだ。
昭和27年(1952)、日野初の6輪駆動車ZF型とZC型がデビュー。
昭和34年(1959)9月、4輪駆動車ZH10型がデビュー。
ZH10型は先に発売されたZC型6輪駆動トラックをコンパクト化したもので、泥濘地や、不整地に適したトラックとして利用され、ダンプのほかミキサー車などに架装された。
昭和35年(1960)、マイナーチェンジでZH11型に変更。
法規改正による灯火系の改良型で、腕木式方向指示器が丸型フラッシャー式に変更している。
昭和37年(1962)、マイナーチェンジでZH12型に変更。
エンジンの強化やタイヤサイズの変更が主と思われる。
昭和41年(1966)~翌年にかけてキャビン周辺の改良が行われ、2枚平板フロントウインドは1枚式ラウンド型に変更。それに伴ってワイパーピボットはウインド上部から下部に変更されている。
また2本のワイパー中央にはエアインテークホールが追加され、ドライバーの負担が軽くなるように改善されている。
昭和50年(1975)年頃にZC系を含めたボンネット型の全輪駆動車の生産が終了。
後継機種には大型車HH/HE型のキャブを搭載したキャブオーバー型4輪駆動車に移管された。
絶滅度 ★★★★☆
レア度 ★★★★★
満足度 ★★★★☆
状態 現役車
撮影地 北海道
撮影日 2011年7月

さて、日野ボンネットトラックというと、ボンネットサイドのダクト形状が数種類存在します。
私の知る限りでは3種類あり、どうも搭載するエンジンによって分けられているようです。
【DS50型】 直列6気筒ディーゼル 7.982cc (160ps)
ダクト形状は上下2本のモールの間に細かなダクトが並ぶ。
1950年代から1960年代にかけて採用。
(DS30型、EB300型も含む)
【DS70型】 直列6気筒ディーゼル 7.014cc (140ps)
7.5トン積載クラスのDS50型に対して、6トンクラスのDS70型。
エンジン排気量と最大出力が若干抑え気味にされている。
ダクト形状は3箇所に空いたホールの中央にモールを通したもの。
また、1970年以降は部品統合化の影響か、DS50型もこのタイプを採用。
【EB100型】 直列6気筒ディーゼル 9.036cc (175ps)
【DK10型】 直列6気筒ディーゼル 10.178cc (205ps)
8トンクラスのEB100型、10トンクラスのDK10型は、3箇所に空いたホールの上下にモールを2本付く。
注意)この方式がすべての形式に当てはまる訳ではありません。
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