
2011 フランクフルト モーターショーで「Citroen Tubik Concept」が発表された。
1939年~1941年に製造されたCitroën TUBのオマージュで、"本来の旅のよさを取り戻すためのデザイン"というコンセプトで提案されたレジャービークルである。
私はこの”Tubik Concept”を見たときに思い浮かんだのは
Citroën Type H
日本ではシトロエンH(エッチ)トラックと呼ばれていますが、「H」はフランス語の子音で「アッシュ」と呼ばれ、「シトロエン タイプ アッシュ」と呼ぶ方がツウっぽいです。

さてこのType Hですが、子供の頃に見ていたアニメ「Dr.スランプ アラレちゃん 」にも度々登場し、日本でも馴染み深い欧州商用車になりました。
1990年に初めてType Hを目撃し、その時に持っていた使い捨てカメラ「写るんです」で必死に撮ったのがこの写真。マンガの中でしか見た事なかった車が、目の前にあるのでとても感激しました。
撮影した場所は三重県鈴鹿市平田町の駅周辺、10代の頃の懐かしい思い出です。

日本で見かけるType Hは、クレープ屋さんなどの”移動販売車”がほとんどで、バンボディのイメージがあると思います。ところがどっこい、ピックアップボディのType Hもあるんです。とても珍しいですね。
FFレイアウト(エンジンがフロント置きで前輪を駆動)なので、荷台床が低くフラットになっていて、ドアヒンジは後ろに取り付けられた前開きタイプ。ボディの錆具合も食パンがいい具合に焦げたような感じで、レストアされた車両よりも心に響きました。

サイドビューを見てみると、タイヤの位置が後ろよりであり、ボリュームのあるキャビンによってフロントヘビーな印象を受けますね。
【Citroën Type H Truck】
推定製造期間 1947-1981年
1947年、フランスの自動車メーカーシトロエンが1947年から1981年まで発売されていた貨物自動車である。
当時は珍しいフロントエンジンで前輪駆動のFF方式を採用した結果、荷室の床は低くフラットで空間効率の優れたパッケージで救急車、郵便局、馬運搬車などいろんな用途で使われました。
ボディ面に見られる波型プレスは、ドイツの航空機Junkers(ユンカース)を参考に、軽量で強度を高める工夫がされています。(初代ホンダ アクティバンにもボディ側面に波型プレスがありましたね)
生産台数47.3万台、1990年代まではフランス国内でも普通に見かけられたそうです。
絶滅度 ★★★☆☆
レア度 ★★★★★
満足度 ★★★★☆
状態 保存車
撮影地 埼玉県
撮影日 2009年5月
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